近畿大学通信教育部図書館司書コース2017年 情報サービス論 合格レポート

コピペは絶対にしないでください。っていうかバレると思います。あくまで参考に!ということでお願い致します。ご自分の意見や考察を一番大切にしてください。

 

情報サービス論

設題 『学校図書館の利用教育の指導内容を挙げ、それぞれについて述べるとともに、「図書館利用教育ガイドライン-学校図書館(高等学校)」を参照(日本図書館協会ホームページの「委員会」の利用教育委員会にて全文公開。冊子は「参考書の紹介」参照)し、利用教育の手段はどうあるべきか、貴方自身の考え方を含め、論じてください。 』


解答 

(1)利用教育の指導内容
学校図書館での利用教育の実施については、学校図書館法第四条第一項第四号にで「図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し、児童又は生徒に対し指導を行うこと」と規定されている。文部科学省が1983年に刊行した「小学校・中学校における学校図書館の利用と指導」や、全国学図書館協議会が発表してきた指導内容[1]を見ていくと、その教育は図書館利用についての案内や指導だけにとどまらず情報リテラシー教育の領域にも及んでいることが分かる。学校図書館の利用教育の目的は「図書館で資料を利用する場合に必要とされる基礎知識や技術的なものを学習させ、豊かな読書や調査ができるようにするもの」[2]で、情報リテラシー教育の具体策としても期待されていると言える。私たちが情報化社会・生涯学習社会である現代を生き抜いていくためには、氾濫した情報の中から適切なものを迅速に選択していく能力を身に付けなければならない。このような能力を身に付けるために、学校図書館では主に以下の4つについて教育が行われている。
①図書館の利用方法…貸出と返却の方法を知る・図書館の機能や役割を学ぶなど
②図書館資料の利用法と活用法…辞典や年鑑を使う・目次や索引の使い方を学ぶなど
③図書以外の資料(情報)の利用法と活用法…情報収集の方法・インターネット検索を学ぶなど
④資料のまとめ方や伝達法…引用や要約の方法・調査結果の発表方法を学ぶなど

(2)図書館利用教育ガイドラインについて
「図書館利用教育ガイドライン学校図書館(高等学校)版〉」は1996年に日本図書館協会が発表したものである。高等学校の図書館が情報教育への取り組みを実施する際の方針を示したもので、Ⅰ.はじめに Ⅱ.各図書館で実施すべき項目と手順 Ⅲ.目的 Ⅳ.方法 の四章で構成されている。呼びかけの対象は図書館分掌に携わる教員を含めた学校図書館関係者で、利用教育の対象は生徒や教職員と想定して作成されている。指導の目的・目標は情報を利用するときの流れに従って、「印象づけ」「サービス案内」「情報探索法指導」「情報整理法指導」「情報表現法指導」の5つの作業ステップに区分けされている。また、指導方法では図書館と教科授業の協力の在り方を「関連なし」「関連」「関連あり」「統合」と3つの段階に分けている。このようにステップや段階がつけられていることで指導の流れが把握しやすくなっており、このガイドラインを適切に活用すれば場当たり的な教育になることもなく計画的に指導を進めていけるだろう。学校図書館が利用教育にあたって抱えている課題は、今後の学校図書館の姿はどうあるべきかという意見が統一していなかったり、予算措置が難しかったりすることであるが、これらを解決するために具体的にどのようなことに取り組んでいけば良いかということを、このガイドラインを通して勘案することができる。

(3)これからの利用教育
レポートを執筆するにあたり驚いたことがある。それは、「電子書籍元年」と言われるほど情報環境が発展していた時期に高校生であった筆者に、情報リテラシーを含む利用教育を受けた記憶がないということだ。「情報」という教科の中で“情報リテラシー”という言葉は学んだものの、学校図書館の存在と結び付けて学んだことはなかった。もし当時利用教育を受けることができていたら、図書館という場やインターネットにあふれる情報を最大限に活用し、自分の課題や進路について詳しく調べて考えたり解決できたりすることも多かったはずである。筆者がきちんとした利用教育を受けられなかったのは、学校側が利用教育の重要さを軽視し、実施するための環境を整えていなかったことが原因であると考える。また、読書離れをしやすいヤングアダルト世代にとって図書館という場は疎遠になってしまいがちであるが、それに対する取り組みが行われていなかったことにも原因があると思われる。このような学校はごく少数であるはずだが、通う学校によって利用教育が受けられたり受けられなかったりする事態はあってはならない。学校図書館における利用教育の意義を今一度見直し、実施を徹底的に義務づけるべきではないだろうか。利用教育の手段としては、調べ学習を通して教育していくことが望ましい。生徒一人ひとりが自分でテーマ(課題)を決定し、それについて図書館の資料やインターネットを使って収集した情報を整理・分析したのち結果を発信するという作業の中で、1章に挙げたような指導内容を網羅できるからだ。教員や学校司書が一方的に説明するより、実際に生徒自身が図書館を利用しながら調べ学習を進めていく方がより効果的に情報を主体的にコントロールする能力を身に付けていけるはずだ。近年では調べ学習よりも汎用的で倫理的な考え方のもとに位置づけられる「課題解決学習」や「探究学習」といった学習方法を通して行われることもあるようだ。このような新しい取り組みが今後多くの学校で展開されることを期待したい。

 

 [1]全国学図書館協議会が発表したものとして「学校図書館の利用指導」(1982年)という体系表、その改版である「資料・情報を活用する学び方の指導」(1992年)、それをさらに改訂した「情報・メディアを活用する学び方の指導体系表」(2004年)がある。
[2]毛利和弘(2014)『情報サービス論』近畿大学通信教育部 p74